この記事は、クラウドワークスで募集した「ハラスメント体験談」の記事を書いてくださったはるなさん(20代女性)の記事です。
以下、彼女のプロフィールです。
✍️ 著者プロフィール
はるな
元建築系事務職の20代ライター。
5年間の同族企業勤務を経て独立し、現在はフリーランスとして活動中。
職場の人間関係や働き方改革をテーマにした記事を多数執筆。
自身の経験をもとに「誰もが自分らしく働ける社会」を目指した情報発信を行っている。
趣味はイラスト制作とカフェ巡り。
・同族企業特有のパワハラ問題と対処法
・社長の娘である上司との関わり方と心の守り方
・「会社を辞めるべきかどうか」の判断基準と退職後の変化
・辞めた後も会社は意外と回る現実
こんにちは、クラウドライター・はるなです。
今回は、同族企業で経験した「社長の娘」である経理部長からのパワハラ体験と、最終的に退職を決断するまでの道のりをお話しします。
この記事があなたの職場環境の改善や転職の判断材料になれば幸いです。
同族企業のパワハラとは?
同族企業とは、創業者一族が経営や運営の中心を担う企業形態のことです。
家族経営ならではのメリットもある一方で、親族だからこそ生じる独特の人間関係や、一般社員が板挟みになるケースも少なくありません。
特に親族である上司からのパワーハラスメントは、以下の特徴があります。
- 他の社員から注意されにくい特別な立場にいる
- 会社のルールが親族には適用されない「二重基準」が存在する
- 親族間の対立に一般社員が巻き込まれることがある
- 人事評価や昇進が血縁関係に左右されることがある
私が経験したのは、まさにこのような同族企業特有の問題でした。
登場人物紹介
私(はるな)のプロフィール
- 20代女性
- 建築系事務職として5年の経験
- 真面目で調整役を担うことが多い
- パソコンスキルが比較的高い
お局(経理部長)のプロフィール
- 50代後半独身
- 勤続30年のベテラン経理部長
- 常に不機嫌オーラを放つ
- 社長の実の娘
「社長の娘」という肩書きが加わると、会社内での立場が一気に強くなりますよね。
私の会社は、社長の息子が営業部長、娘が経理部長を務め、その他の役員ポジションにも親族が就いている典型的な同族企業。
この環境で、社長の娘であるお局が私の直属の上司として君臨していました。
パワハラ上司のエピソード集
勤務時間を守らない特権階級
会社の就業時間は9:00~18:00で、社則として全社員が守るべきものでした。
社長を含め全員が朝9時に出社する中、お局だけが例外でした。
毎朝9時から全社員参加の朝礼がありましたが、お局が出席した姿は一度も見たことがありません。
それなのに、朝礼で社長が伝達した内容について:
と後から騒ぐことが何度もありました。
朝礼に出席していないのだから当然聞いていないはず…!と内心思いながらも、誰も指摘できない空気がありました。
社長自身も、営業部長(社長の息子)も、お局に注意することはできず、まるで腫れ物に触るように扱っていたのです。
無断外出は日常茶飯事
私たちが通常業務に集中している最中、お局がカバンを持ってふらりと外出することが日常的にありました。
帰社時間は日によって様々で、早くて30分程度、遅い場合はそのまま帰宅してしまうことも珍しくありませんでした。
経理部長という立場上、取引先の方がお局を訪ねてくることも多かったのですが、行き先も戻り時間も知らされていない私たち社員は、「現在不在です」と伝えるしかできませんでした。
一度、勇気を出して:
と質問したところ、機嫌を著しく損ね、その日の業務に支障が出るほどでした。
それ以降、「外出するお局に質問すること」は社内の暗黙のタブーとなりました。
ある日、外出していたお局が突然戻ってきたときの周囲に漂う新鮮なシャンプーの香り。
「美容院に行っていたんだな…」と社員全員が心の中で思いながらも、誰も何も言えない状況でした。
業務の丸投げと責任転嫁
お局は電子機器全般が苦手で、特にパソコン操作に関しては顕著。
日常的な業務用エクセルやワードの基本操作はなんとかこなせるものの、パソコン自体の設定やトラブル対応は全くできませんでした。
私が新卒入社した際、最初に任された業務が「パソコントラブルの対応」。
会社にはIT部門がなく、以前はある先輩がすべてのパソコン関連業務を担当していました。
その方と入れ替わりで私が入社したため、教えてくれる人もいない中、Google検索を頼りにトラブル対応をしていました。
この時に何とか対応できたことが運の尽き、お局専属のIT担当というレッテルを貼られてしまいました。
お局が不用意にメールを開いてウイルス感染の疑いが出た時も、バックアップの修復が必要な時も、ネットワーク接続が切れた時も、
と言い残して姿を消します。私自身の業務もあるため、他人のパソコントラブルに時間を割くのは難しいのですが、急いで対応しているところにお局が戻ってきて、
と言われる始末。
何度も感情的になりそうでしたが、社会人としての自制心で抑えていました。
一緒に画面を見ながら手順を覚えようという姿勢もなく、ただ丸投げして結果だけを求める態度に日々ストレスを感じていました。
退職を決断した出来事
これまで紹介したお局の言動にイライラしながらも、何とか仕事を続けていました。
しかし、退職を決断する決定的な出来事が起こりました。
それは、お局と社長(お局の父親)との板挟み状態に陥ったことです。
この親子は非常に仲が悪く、ほとんど直接会話をすることがなかったため、常に私を含めた社員を介してコミュニケーションを取っていました。
ある日、お局が突然「社内システムの変更をしたい」と言い出しました。
この提案は現実的ではなく、社員の負担だけが増える内容だったため、社長は反対の立場を取りました。
私はこの親子間の意見の対立において、両者の伝言役を務めることになりました。
お局の意見を社長に伝え、社長の反応をお局に伝える中で、私も社長と同じ意見であることを控えめに伝えたところ、
と強く責められました。この瞬間、
と心の中で思いました。
社長自身もかつて「わしとお局が話すと必ず喧嘩になるから直接話さないようにしている」と漏らしていたほど、この親子の関係は複雑でした。
しかし、そんな関係の板挟みになる私たち社員の立場を考慮してくれる人は誰もおらず・・・(苦笑)
退職を決意してからの流れは早かったです。
退職間際まで通常業務をこなしながら、引き継ぎも行い、有給休暇をほとんど消化できないまま退職しましたが、今となっては良い経験だったと思えます。
退職後の心と体の変化
退職前の約3ヶ月間は、会社にいるだけで突然涙が出てきたり、夜になると胃がキリキリと痛んで眠れなくなったりする状態でした。
しかし、退職後はそれらの症状がすべて消えてストレスが心身に与える影響の大きさを実感しました。
もともと絵を描くことが趣味でしたが、退職後にブログを始めたことで文章を書く喜びも発見しました。
現在はこれらのスキルを活かした仕事を模索しています。
退職後のデメリットとしては、定期的な収入がなくなったことによる経済的な不安定さがありますが、精神的な健康を取り戻したことを考えると十分な代償だったと感じています。
同族企業を辞めるべき3つのサイン
私の経験から、以下のような状況が見られる場合は、同族企業からの転職を真剣に検討すべきかもしれません。
1. 身体的・精神的な症状が現れ始めた場合
不眠、食欲不振、原因不明の体調不良、突然の涙など
2. 親族間の対立に巻き込まれることが増えた場合
伝言役や調整役を任されることが多く、どちらの立場を取っても批判される
3. 業務範囲が不明確で、本来の仕事以外の負担が増え続ける場合
特に親族上司の個人的な仕事の肩代わりが常態化している
同族企業特有の問題は、時間が経っても解決しないことが多いです。むしろ我慢を続けるほど状況が悪化することもあります。自分の心身の健康が最優先であることを忘れないでください。
よくある質問
Q: 私がいなくなったら会社が回らなくなるのでは?
Q: 退職を決意してから実際に辞めるまでどのくらいかかりましたか?
Q: 同族企業で働く際のアドバイスはありますか?
【まとめ】自分の心と体を大切にするための決断
退職してしばらく経った今、当時悩んでいたことが些細なことのように思えるほど精神的に回復できました。
職場での悩みは在職中は大きく感じますが、一歩外に出ると違った視点で見ることができます。
1. 会社は自分がいなくても意外と問題なく回る
2. 心身の不調はほとんどがストレスに起因していた
3. 新しい環境では新たな可能性が広がる
現在同じような状況で悩んでいる方へ。
あなたの健康や幸福は、どんな仕事よりも大切です。
「辞めたら会社が回らない」という思い込みは、多くの場合思い込みに過ぎません。
自分を大切にする決断をするのに、遅すぎることはありません。
「同族経営の闇」記事の感想
たかのり
私のいたX社も、同族経営みたいなものでした(苦笑)
「同族経営の闇」という記事を拝読し、非常に共感と学びの多い内容でした。
特に印象に残った点をいくつか挙げたいと思います。
この記事の最大の強みは、実体験に基づいた具体的なエピソードの描写。
- 「朝礼に出席せず、後から『聞いてない』と騒ぐ」
- 「カバンを持って無断外出し、シャンプーの香りを漂わせて戻ってくる」
など、読者が状況を鮮明にイメージできる事例が豊富に盛り込まれています。
これによって、単なる愚痴ではなく、実際の職場環境の問題点が説得力を持って伝わってきました。
記事は単に個人的な不満を述べるだけでなく、「社長の娘」という立場が生み出す特権意識や、親子間の確執に一般社員が巻き込まれるという同族企業特有の構造的問題に光を当てています。
「親族だから注意できない」「伝言役を強いられる」といった状況は、同族企業特有の問題を見事に言語化していると感じました。
記事の結びが「自分の心と体を大切にするための決断」という前向きなメッセージで締めくくられているのが印象的です。
単なる愚痴や会社批判に終わらず、読者に対して建設的なアドバイスを提供している点が素晴らしいと思います。
特に「辞めたら会社が回らない」という思い込みへの反論は、同様の悩みを持つ読者にとって大きな励みになるでしょう。
全体として、「同族経営の闇」は単なる愚痴や批判ではなく、実体験に基づいた洞察と、読者にとって有益なアドバイスを兼ね備えた質の高い記事だと感じました。
悩んでいる人にとって、共感と希望を与える素晴らしいコンテンツだと思います。